歴史教科書公開討論会 2社のみ参加

2011.8.12 23:49 日刊紙

 各教科書の特徴や違いを知り開かれた採択を目指そうと、NPO法人「日本政策フロンティア」(小田全宏理事長)が12日、東京都千代田区で「歴史・公民教科書公開討論会」を開催した。同法人は歴史・公民教科書を出版する7社に呼びかけたが、自由社と育鵬社の2社のみが参加した。

 教科書採択は地域代表の教育委員がふさわしい教科書を選ぶ制度。だが、実際は採択の審議が形骸化し、学校現場の意見を追認して前例踏襲を繰り返しているとの指摘がある。不参加の5社は「採択が進む状況で、内容に関する発言は控えさせていただきたい」と回答してきたという。

 自由社から藤岡信勝拓殖大客員教授、育鵬社から石井昌浩元国立市教育長が出席。天皇制や自衛隊、戦争などのテーマについて編集方針を述べたが、南京事件の記述などでは見解が異なり、意見をぶつかり合わせた。

 小田理事長は「方向性が同じとみえる2社でも細部は異なる。残る5社も出席して議論できれば違いが鮮明になった」と話した。

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